第5章:問題解法パターン

はじめに

本章では、NetPracticeの各レベルを解くためのパターンと戦略を学びます。

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1. 問題解決の基本アプローチ

1.1 4ステップ法

Step 1: トポロジーの理解
- どのデバイスがどのように接続されているか
- ルーターの数と位置
- 必要なサブネットの数

Step 2: サブネット設計
- 各セグメントに異なるネットワークを割り当て
- 重複しないIPアドレス範囲

Step 3: IPアドレス割り当て
- 各デバイスに適切なIP
- ルーターインターフェースから始める

Step 4: ルーティング設定
- ゲートウェイの設定
- ルーティングテーブルのエントリ

1.2 チェックポイント

□ 全てのIPアドレスが有効(ネットワーク/ブロードキャストでない)
□ 同一セグメント内でIPが重複していない
□ 同一セグメント内でサブネットマスクが一致
□ ゲートウェイが同一サブネット内にある
□ 全ての必要な経路が設定されている
□ 戻り経路も設定されている

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2. レベル別解法

2.1 Level 1-2: 基本的なホスト接続

構成:
[Client] -------- [Another Device]

解法:
1. 両方のデバイスを同じサブネットに
2. IPアドレスが重複しないように
3. サブネットマスクを一致させる

例:
Client: 192.168.1.1/24
Device: 192.168.1.2/24

注意:
- ネットワークアドレス(.0)は使わない
- ブロードキャスト(.255)は使わない

2.2 Level 3-4: スイッチを含むネットワーク

構成:
[A] ----+
        |
     [Switch]
        |
[B] ----+
        |
[C] ----+

解法:
スイッチはL2デバイスなので、IPには影響なし
全てのデバイスを同じサブネットに配置

例:
A: 10.0.0.1/24
B: 10.0.0.2/24
C: 10.0.0.3/24

スイッチ自体にはIP設定不要(通常)

2.3 Level 5-6: ルーター経由の通信

構成:
[Client A] ---- [Router] ---- [Client B]
               /        \
          Interface1   Interface2

解法:
1. Client AとRouter I1を同じサブネットに
2. Client BとRouter I2を別のサブネットに
3. 各クライアントにゲートウェイを設定

例:
Client A: 192.168.1.1/24
Router I1: 192.168.1.254/24
Router I2: 10.0.0.254/24
Client B: 10.0.0.1/24

Client Aのゲートウェイ: 192.168.1.254
Client Bのゲートウェイ: 10.0.0.254

2.4 Level 7-8: ルーティングテーブル設定

構成:
[A] ---- [R1] ---- [R2] ---- [B]

セグメント割り当て:
A - R1: 192.168.1.0/24
R1 - R2: 10.0.0.0/30 (point-to-point)
R2 - B: 172.16.0.0/24

アドレス割り当て:
A: 192.168.1.1/24, GW: 192.168.1.254
R1-I1: 192.168.1.254/24
R1-I2: 10.0.0.1/30
R2-I1: 10.0.0.2/30
R2-I2: 172.16.0.254/24
B: 172.16.0.1/24, GW: 172.16.0.254

ルーティング:
R1: 172.16.0.0/24 via 10.0.0.2
R2: 192.168.1.0/24 via 10.0.0.1

2.5 Level 9-10: インターネット接続

構成:
[Client] ---- [Router] ---- [Internet]
                |
             [Server]

解法:
1. 内部ネットワークにプライベートIPを使用
2. ルーターにデフォルトルートを設定
3. インターネットへの経路はデフォルトルート

例:
Client: 192.168.1.10/24, GW: 192.168.1.1
Server: 192.168.1.20/24, GW: 192.168.1.1
Router-LAN: 192.168.1.1/24
Router-WAN: パブリックIP

Router ルーティング:
0.0.0.0/0 via ISP_Gateway (デフォルトルート)

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3. よくあるトポロジーパターン

3.1 スター型

        [R]
       / | \
      /  |  \
    [A] [B] [C]

解法:
- 全てのクライアントを同じサブネットに
- または各クライアントを別サブネットに(ルーター複数インターフェース)
- ルーターが中心点

3.2 リニア型

[A] ---- [R1] ---- [R2] ---- [B]

解法:
- 3つのセグメント
- 各ルーターに2つのインターフェース
- R1とR2間はpoint-to-point (/30)

3.3 ツリー型

           [Internet]
               |
              [R1]
             /    \
           [R2]   [R3]
           /        \
         [A]        [B]

解法:
- 階層的なサブネット割り当て
- デフォルトルートで上位へ
- スタティックルートで下位へ

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4. サブネット選択のコツ

4.1 Point-to-Point接続

ルーター間の接続には /30 を使用:
- 2ホストのみ必要
- IPアドレス節約

例:
10.0.0.0/30
  Network: 10.0.0.0
  Host 1:  10.0.0.1
  Host 2:  10.0.0.2
  Broadcast: 10.0.0.3

4.2 LAN接続

クライアントが多いLANには適切なサイズを:
- 2-6台: /29 (6 hosts)
- 7-14台: /28 (14 hosts)
- 15-30台: /27 (30 hosts)
- 31-62台: /26 (62 hosts)
- 63-126台: /25 (126 hosts)
- 127-254台: /24 (254 hosts)

4.3 アドレス空間の管理

異なるサブネットは重複しないように:

OK:
192.168.1.0/24
192.168.2.0/24
192.168.3.0/24

NG (重複):
192.168.1.0/24
192.168.1.0/25  ← 部分的に重複

計画的なアドレス割り当て:
10.0.1.0/24 - Network A
10.0.2.0/24 - Network B
10.0.3.0/24 - Network C
10.0.255.0/30 - Point-to-Point links

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5. エラー防止チェックリスト

5.1 IPアドレス関連

□ IPアドレスが範囲内 (0-255)
□ ネットワークアドレスを使っていない
□ ブロードキャストアドレスを使っていない
□ 127.x.x.xを使っていない (loopback)
□ 0.0.0.0を使っていない
□ 同一セグメントでIPが重複していない

5.2 サブネット関連

□ 同一セグメントでマスクが一致
□ サブネットが重複していない
□ ホスト数が足りている

5.3 ルーティング関連

□ ゲートウェイが同一サブネット内
□ 宛先への経路がある
□ 戻り経路もある
□ デフォルトルートが必要な場合は設定

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6. 素早く解くためのTips

6.1 よく使うアドレス

ゲートウェイ用:
x.x.x.1   (ネットワーク先頭)
x.x.x.254 (ネットワーク末尾)

クライアント用:
x.x.x.10, x.x.x.20, x.x.x.30, ...

Point-to-Point:
x.x.x.1 と x.x.x.2

6.2 暗記すべきサブネット

/24 = 255.255.255.0   (254 hosts)
/25 = 255.255.255.128 (126 hosts)
/26 = 255.255.255.192 (62 hosts)
/27 = 255.255.255.224 (30 hosts)
/28 = 255.255.255.240 (14 hosts)
/29 = 255.255.255.248 (6 hosts)
/30 = 255.255.255.252 (2 hosts)

6.3 デバッグの順序

1. 最も単純な接続から確認
   - 直接接続されたデバイス間の通信

2. 次にルーター経由の接続
   - ゲートウェイの設定

3. 最後に複雑な経路
   - 複数ルーターを経由する経路

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7. 実践問題

問題1: 基本ネットワーク

構成:
[Client A] ---- [Switch] ---- [Client B]
                   |
              [Client C]

Client A: 固定IP未設定
Client B: 192.168.10.50/24
Client C: 固定IP未設定

全てのクライアントが通信できるようにせよ。

解答

Client B: 192.168.10.50/24 (固定)
Client A: 192.168.10.1/24
Client C: 192.168.10.2/24

または任意の.1-.254で重複しないIP
サブネットマスクは全て/24

問題2: ルーター設定

構成:
[A: 10.10.10.5/24] ---- [Router] ---- [B: ???]

Router Interface 1: 10.10.10.1/24
Router Interface 2: 固定IP未設定

AとBが通信できるようにせよ。
Bのネットワークは172.20.0.0/24を使用。

解答

A: 10.10.10.5/24
A Gateway: 10.10.10.1

Router I1: 10.10.10.1/24
Router I2: 172.20.0.1/24 (または .254)

B: 172.20.0.5/24 (または任意の有効なIP)
B Gateway: 172.20.0.1

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まとめ

本章で学んだこと:

  • 問題解決アプローチ: 4ステップ法
  • レベル別解法: 各レベルの典型的なパターン
  • トポロジーパターン: スター型、リニア型、ツリー型
  • エラー防止: チェックリストの活用

次章では、トラブルシューティングとデバッグを学びます。